既に東京、大阪において医療機関向け連続セミナ-「臨床現場で役立つ法律のエッセンス~法的ケーススタディ~」を開催しておりますが、広島事務所開設に合わせ、広島会場でも当セミナーを開催することといたしましたのでご案内します。
医療を提供するうえで、いかに安全を心掛けていても、有害事象が起きてしまうことは残念ながら避けられません。このような有害事象への初期対応を誤ると、患者さんとの信頼関係が崩れて重大な民事紛争となるリスクだけではなく、ともすれば警察・検察による捜査を受け、一方的なメディア報道がされるなど、患者さんのみならず医療機関・医療従事者にも大きなダメージが生じます。
これまで医療紛争・医療訴訟を専門として対応してきた経験からも、有害事象・トラブルが発生した際の初期対応、特に現場レベルで対応できる状況か、組織的に対応すべきかを見分けられる能力を持った人が組織の中にいることが重要です。
また、医学的な知識のみならず、異状死体の届出や医療事故の報告などの行政上の義務の履行、終末期医療、治療中止や判断能力が低下した患者さんの意思決定などの倫理的な問題にも対応しなければなりません。個人情報保護や守秘義務、応招義務といった問題点も日常的に遭遇するところです。
しかし、このような問題点について、法律やガイドラインを含めて、誰でも判断できるようなシンプルな判断基準があるわけではなく、一定のメルクマールを元に、その場の状況に合わせて判断をしなければなりませんが、医学的な知識のアップデートだけでも大変な医療従事者すべてがこのような知識を身に着けることは現実的に不可能です。
実感としては、院内で、医療従事者から相談を受ける人、紛争の対応窓口になる人、いわば紛争・トラブルの場面で「ハブ」になる人の役割が重要です。このような立場の人が、臨床現場で必要な最小限の知識と、法的な考え方の基本を身につけておけば、医療従事者からの相談に対し、基本的なことは回答しつつ、悩ましい問題については組織で判断する、顧問弁護士の意見を聞く、といったレベルに応じた対応が可能になります。
このような知識と考え方を身に着けるには、臨床現場に即した「ケース」を前提としたケーススタディの形で行うことが有効だと考えます。既に、「臨床に役立つ法的ケーススタディ」として、臨床現場で必要な知識を一部まとめていますが(http://www.carenet.com/series/yamazaki/cg001331_index.html?keiro=series0611)、今回、医療機関向けに、医療機関幹部・紛争対応担当者・医療安全管理者を対象に、連続セミナーを開催します。(Download※チラシ)。連載からさらに掘り下げた内容にし、臨床現場の感覚を踏まえつつ、臨床現場での判断に役立つ法的知識・法的な考え方の基礎を全6回にまとめました。質疑応答の時間もありますので、気になる点を掘り下げて、理解を深めることが可能になると考えております。ぜひご参加ください。
■対象者
いずれも役職は問いません。セミナーの性質上、医療機関・介護機関等で臨床現場に携わる方を対象としており、弁護士等のご参加はお断りしておりますのでご了承ください。
・医療機関幹部(院長・副院長・事務長等)
・紛争対応担当者
・医療安全管理者
■申込方法
参加申込書を以下よりダウンロードしていただき、必要事項をファイルに直接ご入力の上、下記、参加申込書送付先までExcelでご送付ください。申込状況を確認後、当事務所から、参加の受付につきご連絡させていただきます。なお、定員に至った場合には、大変恐縮ながら締切日を待たずにお断りする場合がございますことを、あらかじめご了承ください。
【広島事務所】 Download(Excel) 全6回コース・第1回申込締切日:平成29年12月25日(月)
■参加申込書送付先
E-mailに添付してご送信ください。
【広島事務所】
E-mail:osakaseminar@midosujilaw.gr.jp
(件名に「医療機関向け連続セミナーの件」とご記載ください。)
■開催日程
第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 | 第5回 | 第6回 | |
広島会場 | H30/2/15(木) | 3/15(木) | 4/19(木) | 5/17(木) | 6/21(木) | 7/26(木) |
いずれも18:30~20:00
講師:山崎 祥光 弁護士
② 第2回 「医療契約の成立と同意」
≪3/15(木)≫
さまざまな形での受診と医療提供に至る場面で発生する、契約・説明と同意、応招義務について解説します。
【扱う論点】
・医療契約の基礎
・説明義務・医療への同意と同意能力
・応招義務・受診拒否の基礎
・無診察診療と遠隔診療の基礎
③ 第3回 「提供すべき医療の『水準』」
≪4/19(木)≫
医療水準、添付文書・ガイドラインの扱いを紹介し、提供する医療を選択する際のメルクマールを提案します。
【扱う論点】
・医療契約・医療水準についての基礎
・添付文書・ガイドラインの訴訟上の扱い
・医療行為の役割分担(医行為)
④ 第4回 「有害事象発生時の対応」
≪5/17(木)≫
有害事象の初期対応につき、死亡時の対応、医療事故調報告要否の判断を含めて解説します。
【扱う論点】
・院内急変時の対応の注意点
・有害事象発生後の初期対応
・死亡時の対応(死亡診断書等、解剖、異状死体届出)
・医療法上の医療事故報告の判断方法
⑤ 第5回 「個人情報の保護・開示とカルテ記載」
≪6/21(木)≫
日常診療で問題となり、紛争時においても重要となるカルテ記載と個人情報の取扱いについて解説します。
【扱う論点】
・個人情報の取扱と守秘義務
・カルテ記載の重要性・訴訟上の扱い
・情報開示請求・証拠保全・照会への対応
⑥ 第6回 「終末期医療・診療報酬」
≪7/26(木)≫
終末期医療の考え方、指導・監査・処分を含め診療報酬に関する問題、問題患者への対応を解説します。
【扱う論点】
・保険診療の基礎と指導・監査・処分等への対応方法
・治療中止・尊厳死・安楽死に関する判断方法
・患者・家族の逸脱行動への対応
■会場
【広島事務所】
広島市中区鉄砲町10番12号 広島鉄砲町ビル12階
弁護士法人御堂筋法律事務所 大会議室
(開催場所は参加人数によって変更になる場合がございます。)
■受講料
※ 平成29年12月25日までの申込みについては、同日までに受講料を下記口座にお支払いください。
※ お振込の際の手数料は、貴施設のご負担でお願いいたします。
りそな銀行 船場支店
普通預金 0380557 弁護士法人御堂筋法律事務所(ベンゴシホウジンミドウスジホウリツジムショ)
① 顧問先施設:
・1回1施設1万円(税込)
(1施設2名までとさせていただきます。3名以上での参加を希望される場合2名毎に同額の受講料を頂戴いたします。)
・全6回のコースでお申込みいただいた場合5万円(税込)
② 顧問先以外の施設
・1回1施設2万円(税込)
(1施設2名までとさせていただきます。3名以上参加を希望される場合2名毎に同額の受講料を頂戴いたします。)
・全6回のコースでお申込みいただいた場合10万円(税込)
■お問い合わせ先
【広島事務所】
弁護士法人御堂筋法律事務所 担当:武田
TEL:082-511-5700 / FAX:082-511-5701
E-mail:osakaseminar@midosujilaw.gr.jp
(件名に「医療機関向け連続セミナーの件」とご記載ください。)